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「傷つくまで人を愛したことがあるか?」と師匠に言われたのは24歳の時。
正直言って、そこまで人を深く愛した経験が無かったから、傷つくまで心も痛めたことはありませんでした。
それから40年近く経って、どうだったかと問われると、あった様な無いよう様な…
微妙な感じがします。
と言うのも、心が傷ついたのかさえ分からずに、ただひたすらに悲しんだ事は幾度かあったけれど、果たして傷が残るほどだったのかと思うと考えてしまうからです。
心底から他人を愛した人は、きっと別れてしまった時に心が深く傷ついたことでしょう。
でもそれが、気が付かないほどに心がズタズタになってしまった人もいるかもしれない…
そんな人も居るはずです。
そんなにズタズタになったしまった心では、「果たしてこれが心の傷というものなのか、それとも心すらなくなってしまったのではないか」と思うほどに自分が分からなくなっているかと思います。
「心の傷」は後から癒えた時に初めて分かるものであり、傷ついた直後は分からないものなのかもしれません。