貧病争(ひんびょうそう)とは「貧しさ、病気、争い」を指し、人生における苦しみの三大要素を言い表します。
「貧しさは、心も貧しくする」と欧米では言われておりますが、明治維新後に日本を訪れた外国人は皆、日本人の笑顔の多さに驚いたそうです。
当時は1日3食もままならない暮らしをしていた日本人でしたが、誰にも親切で、笑顔を絶やさずいつもニコニコしていたので、彼らはとてもビックリしたそうです。
貧しいが故に当然、病気に罹ることも多く、お医者さんにさえ診てもらえず、平均寿命は44歳前後と言われております。
そんな暮らし振りですから、明日の事を思い悩んだらキリがなかったことでしょう。
それでも「明日は明日の風が吹く」「宵越しの金は持たねえ」なんて言葉も残っているくらいです。
また「火事と喧嘩は江戸の華」なんて言葉もあったように、喧嘩しても現代のように根に持つことは少なく「喧嘩した次の日には仲良く酒を交わしている」という感じで、その感情を持ち越すことは少なかったと言われております。
この辺の事は、八つぁん熊さんなどの落語にもよく出てきますね。