30年ほど前、アメリカにビジネスの種を探しに数ヶ月出張している時に、知り合いになったカルフォルニアの建設会社の社長に誘われて、会社訪問したことがありました。そこで1日社長の仕事ぶりを見ていたのですが、その会社では口論と言うかディベートがオフィス内のどこかしこで行われており、結構騒がしかった記憶があります。

そうした中でも印象に残ったのは、30代くらいの課長職の男性が、事務職20代の女性に「この仕事、何も進んでいないじゃないか!今日までにやっておいてくれって頼んでおいたよな!」と怒っていました。彼女はその男性上司を凝視して「It’s none of my business!(それは私の仕事じゃない!)」「そのような仕事をする契約にはなっていないから、私はやりません。」と言い返してました。「おーコワ。さすがアメリカ…」と思って観ておりましたが、「It’s none of my business」って、なんかヤナ言葉だなとも感じてました。

契約重視のアメリカでは、仕事内容も個々の契約でしっかり決まっているとは言え、「それは私の仕事じゃないからやりません。」と言われたら一緒に仕事をし辛いことでしょう。このことを社長に聞いてみたら「そういう人はそれまでの人さ。上を目指す人はIt’s none of my businessなんて言わない。そうは言っても、社員みんながみんな上を目指しているわけではないし、契約した仕事をきちっとこなしてくれれば会社としては良しという場合もあるから強制はしない。けれどもアメリカンドリームは契約通りでは掴めないからね。」と仰っていました。