李登輝元台湾総督は「日本の思想は、孔子の思想を超えている」と常々言っていたそうです。
彼の言うとおり、日本には「武士道は死ぬ事とみつけたり」と山本常朝の「葉隠」に書かれてますが、孔子は論語の中で「あの世の世界」について書いていないし、それを問われたら「未だ生を知らず、焉んぞ死を知らんや」(未だ、この人生を生きると言うことの意味を分からない自分が、どうして死後の世界の事が分かるだろうか)と言っていました。
もちろん死ぬことが目的で生きている訳ではありませんが、日本の侍たちは常に自分の死の事を考えた上で「自分は正しく生きているか?」「他人の人生を狂わしていないか?」「人に対して優しく接しているか?」などを、顧みて生きる事が大切である事を知っていまいました。
この点を取ってみても、李登輝氏の言わんとしたことが理解できます。
日本字の心の底には、侍の思想が流れているので、自分を律し他人に優しくすることに躊躇しないのではないかと思われます。