日本には多くの伝統技術が未だに続いています。
工芸関係もそうですが、建築、食品加工、武道にも、意思は引き継がれ今も多くの方々がその念いを引き継ごうと努力を重ねておられます。
こうした意識、技術の伝承は一朝一夕に習得出来ないがために、そのバトンタッチが上手く行かなかった事もあるようです。
例えば刀鍛冶が良い例で、名刀と呼ばれる刀の殆どが平安時代から室町時代に作られましたが、その刀身の美しさ、柔軟性と強靭性の再現は、「現代の技術をもってしても再現不可能」とされるほどでした。
当然、室町時代以降も刀は作られましたが、名刀と呼ばれる作品は段々と少なくなって行きました。
技術の継承がうまく行かなくなった事が大きな理由ではありますが、段々と鉄砲に取って代わられた事も大きな理由に挙げられます。
方や宗教に関する工芸品などは、しっかりと現代に引き継がれているところをみると「やはり時代の波がどんなに変わろうとも、変わらないのは人の心」と言うことが理解出来ます。
人の心は移ろいやすいとは言っても、人生のおける根本的な問題は千年以上前の人も私達もあまり変わりはないようです。
その問題の解決へのヒントを与えてくれるのが宗教であるとするならば、宗教にかかわる関係が幾千年も変わりなく続くことは当たり前と言えるでしょう。