日本人の多くが利口な人になってきたようですね。
利口な人は、頭の回転が早いし、仕事も早い、情報収集能力にも長けていて色んな事を知っている…
でも、いつでも自分本位、他人は他人。所詮自分のことは分からないし、分かろうとしない…
そんな一見賢い人が増えてきている気がします。
宮沢賢治の中に出てくる「でくのぼう」は全く反対の人物です。
欲はなく、いつも静かに笑っていて、自分を勘定に入れず、病気の子供がいれば行って看病してやり、日照りの時には涙を流し、寒さの夏はオロオロ歩く…
そんな「でくのぼう」は、今の世の中だとアホだバカだと言われてしまうのでしょう。
でも器の小さな小利口な人より、でくのぼうの方が人間的な魅力があります。
正直で勤勉で、何処か抜けていてお人よし。
知識や学問は少ないけれど、コツコツと自分の信じる道を歩み、手間や回り道を惜しまない。
時代遅れで融通も効かない。
利益にも疎いけれども、ゆったりと構えて、焦らず、屈せず、腐らず、飾らず、今の自分の生活に満足している…そんな「でくのぼう」に私もなりたい!