日本を代表する小説家、司馬遼太郎氏が歴史小説を書き始めたキッカケがとても素晴らしいと思いました。
司馬氏が従軍していたある日、彼は日本軍の戦車をヤスリで削ってみたそうです。
そしたら、簡単に戦車に傷がつきました。
その時彼は「こんな戦車を作っているようでは日本軍は必ず負ける。」と確信したそうです。
その後司馬さんが上官にこんな質問をします。「空襲から逃れて東京からやってくる民間人と、東京へ向かう我々戦車部隊が街道で鉢合わせしたらどうしますか?」
上官は暫く考えて「ひき殺して進め」と言ったそうです。
この一言で司馬氏は軍部への不信感を決定的なものにしたそうです。
「なぜ自分はこんな馬鹿な事をする国に生まれてきたんだろう。いつから日本人はこんなに馬鹿になったのだろう」
「昔は、明治時代、江戸時代、更にはそれ以前、こんな馬鹿な事をする国ではなかったに違いない」
なんと司馬氏は「日本人が馬鹿ではなかった証拠を調べて書き連ねたい」という思いから歴史小説を
書き始めたそうです。
自分の使命を見つけるキッカケは些細なことかも知れませんが、何年、何十年と続けで行くためには「世の中を良くしたいんだ!」「人の為に役立ちたい!」と言う「人のために」と言う純粋な願いが必要であると思います。
司馬氏はそこから何十年もかけて多くの歴史書を書き上げて行きました。
初志を忘れない為に。日本人の素晴らしさを後世に残すために。