日本のロケット界の父と言われる糸川英夫博士は、晩年「長い間生きて来て、人より少しは勉強したと思うけれど、知れば知るほど自分は本当に何も分かっていないと言うことが分かりました。」と言っていたそうです。
ソクラテスの「無知の知」ですね。
勉強すればするほど、知れば知るほど、自分がいかに無知であるかを思い知る…
その反対に、知識浅はかな人ほど「自分は頭が良い。自分は知的巨人。」だと言うようです。
ですので、他人をバカだアホだと言う人ほど、自分の愚かさを証明していることになります。
またそうした、人を見下すような人達は、それまでの地位や名誉を投げ捨てて、新しいことにはチャレンジしません。
知識とプライドがチャレンジャーになる事を拒むのです。
糸川博士は、55才の時に東京大学の教授職を捨て、本の執筆を開始しベストセラー「逆転の発想」を始めとする70冊を超える著書を残されました。
博士は「人は何かを手に入れることよりも、一度手に入れたものを捨てることの方が難しいのです。いずれ全てを捨ててこの世を去らなければならないのならば、その訓練だと思って今までのものを捨てる経験も定期的に必要です。」と仰ったそうです。