「自然死」を勧める中村仁一先生は、現場で頑張っておられるお医者さんであるからこそ、このように仰っておられます。
「死にかけの人間が医者にすがるのも、あまり感心しません。
何故なら、いかに生きるのか、いかに死ぬのかは人生の問題で、医療で解決できる問題ではないからです。
医者は医学の勉強をして医師免許を持っています。
しかし特別に人生勉強をして来た訳ではありませんし、人生修行もしていません。
また、さしたる人生経験もありません。
そんな医者に、如何に死ぬかと言う、難しい人生問題を突きつけるのは可哀想すぎます。
医者には荷が重すぎて逃げ回ることしか出来ません。
死にかけの患者のところから足が遠のくのは無理からな事です。
ただ、死に損なった体験を持つ医者や、身内を癌や難病で亡くした医者は、多少ましと考えて下さい。
順風満帆の人生を送って来た人は該当しませんから、出身大学や教授や院長、部長と言った地位や肩書に惑わされずに、医者の過去をよく洗って吟味すると言う手続きを取るのが礼儀だと思います。」
この様に著書の中で語られています。
医者であっても人間で、スーパーマンではないのですから、頭の良し悪し、医療技術の高い低いだけでは測れない「人間力」をみて相談するべきかどうかを考えなければならないようです。