「令和6年に生まれた子供の数(出生数)が国の推計よりも14年も早く70万人を割り込み、急速な少子化の進行が改めて浮き彫りとなった。」という記事が目に入って来ました。
いよいよ、日本の社会保障制度の破綻が見えて来た感じです。
政府は2030年をタイムリミットと定めているようですが、打つ手は全て空振りしている事は否めません。
少子化問題の根本的原因は何処にあるのでしょうか?
学者や役所、政治家達は「経済的な不安で、結婚や出産に踏み切れない若者が増加している現実があるため」としていますが、果たしてそれが主な原因なのでしょうか。
経済的不安は戦後の方が強かったでしょう。
戦争に負けて焼け野原になって、「明日からどうやって食べて行くか」いや、そもそも「今夜の食事にありつけるのか」という究極の生活の中でも、出生率は段々と上がって行きました。
経済的不安を何とか解消しようとしても、出生率は上がらないという事は、他に原因があると、政府は何故わからないのか甚だ不思議な感じがします。
結婚=出産とならなくなった現代では、結婚を推進する方策を立てても意味がないという事です。
異性に対する欲望を満たすだけならば、独身でも十分満足できる状況だから、結婚には魅力を感じないし、子供を育てる意義が理解出来ていないと言うのが実情でしょう。
「何故、私達は子供を産み育てなければいけないのか?」その問いに、真っ直ぐ答えてくれる解答者が殆どいません。
あなたは「何故、大人は子供を産み育てなければならないのか?」と言う質問に対して、明確に答えられますでしょうか?
「国の人口が減ってしまうから。」それでしたら移民を受け入れれば解決は出来ます。
「子供を育てる過程が自分の幸せになるから。」そう答えられる人が、どれだけ日本人の中にいるのかという事こそが、主な出生率低下の原因なのではないかと私は思っております。
「子供を育てることで、自分も、子供も幸せになれる」のであれば、出生率は自然に上がって行くことでしょう。
何故なら、人は皆んな幸せを求めて、苦しくても辛くても生きているのだから、「子供を育てる=幸せ」と言う等式が成り立つのであれば、子育てを頑張れます。
子供を育てることが親の幸せになる事を、学校などでも教えてあげれば良いのですが、教師の独身率も増えていると言う現状もあります。
「それだったら、国や自治体が子供を育てればいいじゃん」とか「未婚の父母をサポートするシステムを構築すればいい」とか言う方が出てくることでしょう。
果たして、両親を知らない子供達や片親だらけの社会が広がったら如何でしょうか。
親になる人にもある一定の条件も必要になってくるので、動物たちの様に「勝手に生んで勝手に育つ」と言う訳にも行きません。
学齢期では、子供を育てることが困難である事は明白なので、経済的自立がなされた上で、男女の合意があれば、子供を産み育てることができると言う「親になる人の条件」はある程度必要となるでしょう。