時々「先生は一瞬で、その人が敵か味方か見分けられるから楽ですよね。」と言われることがありますが、「その人が敵か味方かなんて考えたこともないです。この方は、今どんな事を想っているのか?を観察するだけです。」と答えています。
世の中の人を、敵か味方かでみている方の大半は、息苦しさを感じて生きているような気がします。
もちろん、こうした方の中には成功している方も多く、お金に不自由なく、一見すると幸せに暮らしているように見える方もいらっしゃいます。
しかし心の中は、いつも落ち着きません。
「あの人が裏切った。この人がウソをついて離れて行った。」など、人の心の動きに過剰に反応してしまって、心が落ち着く暇がないからです。
他人を、自分にとって敵か味方かに分けることに奔走していると、自分のことが見えてこなくなります。
何故なら、常に関心ごとが「他人の心」だからです。
本来、他人の心を推し量ることは素晴らしい事のはずなのに、その推し量る物差しが「自分にとって都合の良い物差し」になり、どんどん自己中になって行きます。