今日のテーマを見て「仕事に正しいも、間違いもあるものか!」と思われた方もいらっしゃるでしょう。
「職業に貴賎なし」と昔から言うように、「どんな職業にも、あの仕事は尊いが、あの仕事は下々の人達がやる事、と言うような職業差別はない。」と私も考えます。
「職業に貴賎なし」と言う言葉は、江戸時代に石田梅岩が、士農工商という身分制度の中で、商人の立場を擁護するために用いた言葉が広まったと言われています。
当時の身分制度では、商人は士農工商の最下層に位置づけられていましたが、石田梅岩は「職業に貴賎はない」と主張し、職業によって人の価値が決まるわけではないと説きました。
しかし、人に迷惑をかける仕事、例えば「口座から引き落としできません。支給法的処置を取ります。」とかの詐欺行為や恐喝、しつこい勧誘などを生業としている仕事を、容認するような言葉ではない事も確かです。
人を不幸にする職業をもって「私は正しい仕事をしています。」と言われたら、「それは違うでしょう。」と多くの方が口を揃えるでしょう。
また、そうした仕事ではないとしても、仕事をしている最中に、他人を貶めたり、虐めているようでは「正しい仕事をしている。」とも言えないでしょう。
仏教で言う「正業」とは、「正しい心で仕事をなしたか?」と言うことを、「日々反省しましょうね」ということで、お釈迦様が説かれたのだと思います。