「長考に好手なし」とは、将棋などの戦略ゲームにおいて、長い時間考え込んだ末に指した手は、良い手になりにくいという格言です。
じっくり考え込んで行うことは、一考すると最善の手を探すために有効な手段のように思えますが、実際には迷いや焦りから、本来の力を発揮できなくなることが多いという経験則を表しています。
また、こうしたことから「直感」で行動した方が良いのではないかと言う考え方も出てきます。
危険に対して熟考していたのでは、命が幾つあっても足りません。
それ故に、大脳基底核と言う運動制御、習慣形成、意思決定に関与している部分がフル稼働して、自分自身の身を危険から瞬時に守ろうと、一瞬のうちに指令を流します。
これが直感と言われている現象であると、脳科学では説明しております。
唯脳論的には、それで説明は可能かも知れませんが、人間はもっと複雑なので、五感全部をフル稼働している様に思います。
私達は古来から、五感をフル稼働させた「直感」を使って命を長らえてきました。
しかし現代では、頭で損得勘定や合理的な考え方を基に、直感を捨て去る方向に進んできました。
今こそ「知識と経験」を活用した「直感力」が大切なのではないかと私は考えます。