ベルギーの人類学者のレヴィ・ストロースは著者「野生の思考」の中で、「未開社会も西洋の発展した文化も、その本質においては何ら変わりない」と言うような事を言っておられます。
つまり「自由な人間が主体的に行動することで、世界は変革できる」という「変革の設計図」で動いている西洋社会だけが、人間の社会ではなく、「自然のなかで自給自足をしている社会も文化文明といえるのではないか」と言う事を主張しています。
確かに彼の言う「構造主義」は、人間の文化や社会現象の背後にある「普遍的な構造」を解明しようとする思想であるので、とても大切な事でしょう。
また彼は、言語学の構造主義を応用し、神話や親族関係などの文化現象を、対立する要素間の関係性として分析しました。
これにより、文化の多様性の中に共通するパターンを見出し、人間の思考や行動の根底にある普遍的な構造を明らかにしました。