私もだいぶ前になりますが(野茂がドジャースで活躍していた頃なので、分かって貰えるかも知れません)アメリカのカリフォルニア州に単独でビジネスの種を探しにホームステイしていました。
その時に、二つのカルチャーショックを受けました。
先ずは人種差別的な考え方です。
私がステイしていたオレンジ郡のある町では、毎週末にフリーマーケットが開催されるのですが、そこに日本人のお友達に誘われて出掛けました。
その際に、お父さんとお母さんに連れられて歩いている、5、6歳の金髪の可愛らしさ女の子とすれ違ったのですが、すれ違いざまに舌打ちされて「イエローモンキー」と投げ捨てられるように言われました。
「こんな小さな子供でも言うのか。」と思って、結構なショックを受けました。
「まだまだ、人種差別が根強くあるんだなあ」と思ったことを記憶しております。
また、その出来事の後、ロサンゼルスにオフィスを構えるの会社にも「何か日本で儲かるアイディアはないか」と研究するために、何社かにアポを取って回りました。
その時に、1人の若い日本人男性と知り合いになりました。
彼は、日本のある有名商社から出向でアメリカに来ていましたが、彼から興味深い話を聴きました。
彼は超優秀な某大学を卒業して商社に入ったので、こちらに来る時には幹部候補生として、秘書も付けさせられて仕事していました。
しかし、アメリカ人の秘書に、勤務時間外にコピー取りやコーヒーマシーンのカップ切れ補充を頼むと、露骨に嫌な顔をされるので、自分でコピーを取ったり補充していたりしたそうです。
そんなある日、たまたま秘書が外出していたので、取引先のアメリカ人のお客様が来社した時に、自分でコーヒーを用意して持って行ったところ「君は〇〇大学を卒業したと聞いているが、なんでそんな雑用みたいな事をしているのか?私があなたの代わりに上司に文句を言ってやろう!上司をここに連れてきなさい!」とえらい剣幕で起こり始めたそうです。
事情を説明し、何とかその場は収めたそうですが、彼が言うには「組織には立場立場の仕事がある。その立場を上に越えても、下に越えても、それを仕事にしている人の仕事を奪うことになる。それは人間としていけないことだ。」と、お客様から教えられたそうです。
アメリカでは「雑用がやりたくないなら、資格と取ったり、売上を上げるなりして出世しろ。出世したら、前にやっていた仕事を自分でやるな。それ相応な人に任せろ。そんな事をやっている暇はあなたには無いはずだ。」と言うアメリカ人が多かったそうです。
確かに、当時のアメリカの会社は年齢に関係なく、仕事ができる人は個室と秘書をもって、朝から晩までバリバリと仕事をこなしていました。
かたや、肌の色は白くても、ファーストフード店の近くで「ワンペニー、ワンペニー」と物乞いする人達もおりました。
彼ら白人は、プライドが高いので「有色人種の人達がやる、掃除や皿洗いが出来ないんだよ。」と友人が、そっと耳打ちして教えてくれたことを思い出します。
アメリカは頑張って努力した人には、それだけの地位や財産が保証されやすい反面、努力したい方には冷たいと言うところもあります。
「アメリカンドリーム」を夢見るアメリカ人は、平等である事と公平である事を、他の国以上にしっかりと大切にしているということでしょう。
今のアメリカが、30年前と変わっていなければのお話ですが。(笑)