刀は最後の過程で、加熱と冷却を繰り返します。
その際に、せっかくそこまで形になった刀が、割れたりヒビが入ったりすることがあるそうです。
そうなると、最初から作業がやり直しになる場合もあると聞きました。
勿体ないからといって、そうした焼き入れの作業を怠ると、なまくらの刃になってしまい、すぐに折れてしまいます。
人も同じように、刀のように焼き入れされて、初めて「強い人」になるのでしょう。
「順風」「順境」というのも成長が早いし、大事なことだとは思いますが、やはり火をくぐり、水をくぐっていない刃は直ぐに折れてしまうように、苦難困難を知らないで育った人は、ちょっとした挫折に弱いものです。
知恵あるものは「知」に驕り、学あるものは「学」に溺れ、血統が良いものは「血統」や「家柄」に驕る者も出てきます。
「美貌」に驕る者もいるでしょう。
それぞれの良さは大切なことではありますが、自分の長所を溺愛すぎて、苦難困難から逃げる事ばかり考えていると、いつのまにか長所が仇となって、「他の人に感謝できない人間」になってしまいます。
成功すればするほど、大きくなればなるほど、「他の人達の様々な支援を受けて、現在の自分があるのだ」と知る心が深まって行くことが、大事ということでしょう。