インドネシアのバリ島では、バロンダンスという民族的な演劇が行われています。
民族神である善神バロンと、悪魔の化身である悪神ランダが出てきます。
そして「善神、真なる神であるバロンの力と、悪神すなわち悪魔であるランダの力とは対等で、決して決着がつかない。善神と悪神が永遠に戦い続ける。」という思想が描かれています。
この考え方は、中東ではるか昔に説かれたゾロアスター教においても「光の天使オーラマツダと悪神の戦い」として描かれているテーマと同じ感じです。
確かに人類史を見ると、常に善なるものと悪なるものが闘争し続け、決着がつかないようにみえてしまいます。
ただ真実の世界から見ると「善悪の二元を超越した一元的なる大いなる善があり、地上の人間の目に善悪と見えるものは、自由そのものに付随する属性が違ったように見えているだけ。」と考えることもできます。
すなわち、自由は繁栄の側面を取ると善に見え、衝突や相剋の面を取ると悪に見えるということです。
この悪の面も、普通は反省や改心、懺悔などの過程を経て、許しを得て善なるものに転化されることが前提とされているのであり、一定の時間を超えた時に、善一元の思想になりうるということです。
人間の目からみれば無限に近い時間も、神の目から見たらほんの一瞬に過ぎないということを考えると「この世は善しかない世界が展開されている」とも言えます。
