日本人は縄文の時代から、調和を旨とする生活を重視して生きて来ました。
欧米諸国の民は個人の尊厳を大切にし、個々の進化と進歩を重視して来ました。
この衝突が歴史上何度もありましたが、明治維新で個人主義の思想が日本国中に流れ、時代は大きく変わって行ったのです。
それまで「家長は家と家族を護る。家臣は主君を護る。国家は民を護る。」
これが当たり前でしたが、西洋的な個人主義が入り込んだ事で、自分の身は自分で守る考え方に段々と変わって行きました。
個人を大切にするが故に、教育も積極的に行われ個人の能力は飛躍的に伸びていきました。
無個性に近かった江戸時代までの日本人が、個々の個性の大切さに目覚めた瞬間です。
そこからは日本人の勤勉さが功を奏し、みるみる国家は発展していきます。
こうして日本は世界的にも稀に見る経済国家となって行きました。
調和から進歩へ舵を切ったから今の発展繁栄がある訳ですが、同時に大切な調和の心を捨て去っても来たのです。
調和と進歩のバランスが大切な真理なのに、進歩重視に変わったことで、日本人が日本人であって日本人ではなくなりました。
調和と進歩のバランスに欠かせない橋渡し役が愛だと言う事も、忘れかけてしまったかのようです。