土葬が多いアメリカでは葬儀の際によく行われる「エンバーミング」。具体的には遺体の保全・修復・殺菌・防腐などを目的に、遺体に施す特別な処置のことを言います。専門の技術・資格を持った「エンバーマー」しか行うことができません。彼らは特殊技術を持つため、アメリカでは尊敬されている職業の一つです。

遺体を消毒・殺菌したうえで、血液などの体液・消化器官などに残った残存物を抜き、代わりに防腐剤などを注入します。
通常、遺体は時間の経過とともに腐敗していきますが、エンバーミングを行うと腐敗がすすむことなく長期間保全することができます。事故や事件で亡くなった方や病気で生前の様子からかけ離れてしまった場合に、遺族が希望する場合が多いようです。完全消毒殺菌が施されるので、ご遺族がご遺体に直接触れることも可能となります。ハリウッド映画とかに、お葬式で直接ご遺体にキスをするシーンが描かれるのもエンバーミングのおかげと言えるでしょう。日本でも仕事内容は異なりますが映画「おくりびと」でご遺体を美しく化粧するシーンが話題になりました。

「故人に対し敬意を払う」という意味では、エンバーミングはとても大切なことだと思います。