「布施(ふせ)」とは、仏教で言うところの「僧侶や僧団に対して物品などの施し」をすることですが、お賽銭やお札を買い求めることも、広義の上では「布施」と言っています。
しかし本来は、「人が、自らが大事なものを神や仏に差し出すことで、その執着を断つ修行の一環」として「布施(行)」があったのです。
ですのでお釈迦様は、弟子の僧侶に対して
「あなた方は物乞いではない。
あなた方は実は与えているのだ。
布施の機会を与えることで、布施をする人達に大きな愛を与えているのだ。
あなた方がお椀を差し出す時、無言のうちに彼らを教え導くことが大事なのだ。
与えると言う行為が、どれほど清々しいものか。
布施をすることで、どれほど尊い気持ち、どれほど嬉しい気持ちになるか。
お椀を差し出す行為の中で、それだけの事を相手に悟らせなくてはならない。
他人から何かをもらう事で、決して卑屈になってはならない。
あなた方は物乞いをしているのではなく、大いなる啓示を与え、大いなる光に触れる機会を与えているのだ。
この点をしっかりと心に掴み、托鉢行も偉大なる悟りへの修行であることを知って、日々、他の人々を教え導きなさい。」
と語っていたと言います。
布施行は、自他共に成長させるための大切な修行であるのです。