村上和雄氏は現在の奈良県天理市に生まれ、1983年に高血圧を引き起こす原因となる酵素「ヒト・レニン」の遺伝子解読に成功した分子生物学者です。
その彼が著書の中で、iPS細胞の可能性を高く評価されていました。
通常は細胞分裂の過程でその役割が分化していく細胞ですが、体細胞に少数の因子を導入し培養することで、様々な組織や臓器の細胞に分化する能力を持つ「多能性幹細胞」に変化させる技術です。
(英語では「induced pluripotent stem cell」と表記するのでiPS細胞と呼ばれます。)
人間自体も、それぞれの使命や役割をもってこの地球に生きているはずですが、その使命や役割を忘れて「ただ漫然と生きている」そんな状態の人達が段々と多くなっているという指摘をする社会学者もおります。
私は漫然と生きていている時が長い人生の中であっても良いかと思いますが、一生を通じてそうした「ただ生きている」状態では、本人が人生の最期を迎える時に後悔するような気がしてなりません。
私達は皆iPS細胞の様に少しの因子でどんなものにも変われる存在だと思います。
誰かの一言で「もう一回自分を鍛えなおしてみよう!」と思ったり「諦めていたけれど再挑戦してみよう!」と思う事がある筈です。
私達を構成している細胞の数は37兆個とも60兆個とも言われていますが、そうした細胞ですら進化しようとするのに私たち自身が諦めてしまったら、彼らに申し訳ない気がしてしまいます。