糸川英夫博士は、東大生産技術研究所でロケットの研究に従事し、1955(昭和30)年に日本初の固体燃料ロケット「ペンシルロケット」の発射実験に成功させました。
1964(昭和39)年東大宇宙航空研究所に移り、各種ロケットの開発を行い「日本宇宙工学の父」と呼ばれた人物です。
有名な科学者である糸川博士は、聖書の勉強会を開いていたことでも有名です。
彼にとって科学と宗教は相反するものではなく融合するものであると考えていたようです。
博士は宗教の必要性として以下の3つをあげておりました。
一つは「目に見えない世界への知的好奇心と探究心」です。
この好奇心と探究心が無ければ科学者ではないし、過去の発明発見の多くが「なぜ、そんな現象が起きるのか?」と言う疑問から生まれて来た事が多かったからです。
二つ目は「道徳心」です。
誰が見ていなくても、誰が知らなくても「神様は見ている」そんな思いがあるからこそ、人は良心に照らして正しい道を選ぼうとします。
三つ目は「救い」です。
人は人生の中で、どうしようもない苦しみや悲しみに出会ってしまう事が多々あります。そんな時に「神様はまだ自分を見捨てないで応援してくれている」と感じた時に、「もう一回頑張ってみよう!」という勇気が出て来ます。
こうした事から、糸川博士は宗教は人間にとって必要なものであると定義つけました。
また博士は「科学者には目には見えないものを信じる心が必要だ」と考えたのでしょう。