論語の中に「子は怪力乱神を語らず」という言葉が出てきます。
これはデカルトの「霊肉二元論」や、カントの「学問の対象にならないものは取り扱わない」と言う「理性論」に似ています。
それ故に、孔子を大切にする中華人民共和国は「唯物論」という立場を取っています。
もちろんマルクス・レーニン主義が「人間を機械のように見ている」という事にも起因しているのでしょうが、中国のトップが「宗教を怖がっている」という感情的な事もあるでしょう。
中国の歴史は、宗教的集団によって翻弄されてきた歴史でもあります。
その中でも「黄巾の乱」は有名です。
後漢末期の184年において、太平道の信者が、教祖の張角を指導者として起こした組織的な農民反乱とされていますが、キリスト教的な考え方を持つ張角が道教と融合しながら、当時混沌としていた中国大陸を統一しようとした事から始まったと言われています。
この流れが「三国志」に繋がって行ったので、中国の歴史においては大きなターニングポイントになったと言えます。
それ故に、習近平は宗教を恐れ、弾圧をかけていると言われています。
思想的弾圧において使われる言葉が「怪力乱神を語らず」であり、「孔子は魂、霊界などないから語らなかった」という感じで使っています。
しかし実際は、孔子は魂や霊界を否定しておらず、むしろ孔子が生きていた時代は、そうしたスピリチュアル的な事が当たり前すぎて、何でもかんでも見えないモノのせいにしていたので、それに対抗するために理性的に論語を書いたとされています。