子供達に愛情を注いでも、いずれは親元を離れていくのだから、何ともやり切れない思いは感じてしまいます。
また核家族化が進む現代では尚更に、子供からの恩返しは期待できないでしょう。
しかし子供達も、やがて大人になると「親の愛」の有り難みが分かってくる筈です。
親が与えたものが、直接親に返ってくる事はないかもしれませんが、親から受けた愛によって、子供達が社会の中で生きる時に、他人に対する優しさや「人のために尽くす」と言う気持ちに、必ず転化していく事でしょう。
そういう意味で「親の愛」が死ぬことはありません。必ず残ります。
「親に愛された」という気持ちは必ず残るものなのです。
親に愛された気持ちを、直接の親に返せるかどうかは分かりません。
現実には返せないことの方が多いかもしれません。
返そうと思った頃には、親がボケていたり、事業が傾いていたり、亡くなっていたり、病気になっていたりして、昔のままの親ではないこともあります。
また、恩返ししても親が分からない状態であることもあります。
それでも「親が子供を愛しておく事は、子供にとって将来、人に愛を与える為の大きな原動力になる」のではないかと思います。