老荘思想と言われる「人や自然のありのままを良し」とする思想が、忙しい現代人にとって、時々必要ではないかと思います。
老荘思想は、老子と荘子が確立させてと言われておりますが、もともと土着信仰的にあった「自然崇拝」である「道教」が発展したものという説もあります。
道教は日本におけるアメニズム(八百万の神)の考え方に近く、原点である日本神道系の考え方が、大陸に渡ったと言う説もあるくらいです。
老荘思想を確立したひとり、荘子は「自分が蝶になってヒラヒラと飛んでいる夢をみました。夢から覚めて自分と周りの環境をみた時に、違和感を感じました。本当の自分は夢の中の蝶だったのではないか?その蝶がみている夢が、今の私ではないのか?」そう考えたのです。
「夢か幻か」と言うよりは、「蝶が夢なのか?今の自分が夢なのか?分からなくなってしまった」と言うことです。
この話で荘子は何を言いたかったのかと言うと「あなたが現実だと思っている、この世界はもしかしたら夢で、本当のあなたは別の世界に存在するのかも知れない。そう考えると、『あれもしなければいけない』『こうしなければ生きていけない』などと、あくせくしながら必死に生きるより、肩の力を抜いて『今は人生と言う夢の舞台に立っている』そう考えることも有りですよ」と教えてくれているのかも知れませんね。
まるで映画「マトリックス」の世界のようなお話ですが、今では「この世が仮想現実」と言う理論も出ているくらいなので、老荘思想はさいせんたんの思想だったのかもしれません。