あなたの周りにも、「何でも出来るオールマイティな天才肌の人」が、何人かいるかも知れません。
そういう人になりたいと思っても挫折してしまったことが、私にも何度もありました。笑
オールマイティな人は、一見すると凄く羨ましくも思えますが、完璧主義的な傾向があるので、そこが弱点になる場合があります。
例えば、歴史を紐解けば「項羽」は、そんな人物であったようです。
戦えば必ず勝つ「百戦百勝の武神」と冠せられた項羽は、武芸は勿論ですが、書家としての才能や芸術家的な才能も持ち、兵法も纏めるなど、その天才ぶりをいかんなく発揮していました。
しかし「百戦百敗」の劉邦に、ただ一戦負けて、この世から虞美人(中国史で最高の美人と言われています。虞美人草は彼女の名前から付けられました)と共に去りました。
項羽の何がいけなくて、劉邦に負けたのでしょう。
彼は完璧主義者だったので、愛する虞美人を救えないことに耐えられなかったが故に、劉邦に負けたと言われています。
かたや劉邦は、父親や妻を人質に取られ窮地になると、平気で彼らを捨てて逃げる卑怯者でした。
そんな劉邦ですから、負けないためには逃げる事を平気で実行できる人でした。
「勝つためには、家族であっても捨てる」と言う大胆さがあったため、戦さも家族も完璧に守ろうとする項羽のスキをつく事が出来たのでしょう。
どちらが人物的に優れていたのかは賛否両論ありますが、「天下を取る」と言う優先順位を決めた時には、劉邦に軍配が上がったと言えるでしょう。
「勝つ人が上に立たず、凡人が天下を取る」ような、歴史とは意外とそう言うところがあるから面白いのかも知れません。