誰にでも気分の落込みや高まりは、糾える縄のように、ジェットコースターのように巡ってきます。
そのままにしておけば、アップダウンを繰り返すのが自分の心です。
この心を、暴馬に例えた聖人がいたり、雲に例えた哲人もいました。
お釈迦様は湖面に例えました。
「心が波立っている時は、周りの景色が湖面に映らないくらいザワザワしている。しかし、そのザワザワが無くなると、湖面は鏡の様に周りの景色を映し出す。」
この例えは「あなたの心が波立っている時には、自分の姿も、周りの人の姿も、本当の姿ではないから、その時に判断をするな。心の静けさを取り戻した時に、自分も他人もハッキリと見えてくるから、先ずは心を落ち着かせ、波立たないようにせよ。」と言う事を教えてくれています。
この事を別の言葉で言うと「悩んでいる時には結論を出すな。悩んでいると言う事は、確証を得ていない証拠だから。」と言い換える事も出来ます。
漠然とした不安を抱えている時は、湖面が揺らいで波立っているので、まともな判断が出来ないません。
大切なのは「心の中の湖面を波立たせないこと。」
これが中々できないからこそ、私達は人生という修行をしているのかも知れませんね。