最近「人間学」という言葉をよく見るようになりました。
「人間学とは、人間とは何か?を様々な角度から探求する学問」という定義がなされていますが、「届きそうで届かない」もどかしさを感じる学問のような気がします。
人間の外見を科学的アプローチから観れば「医学」になるでしょうし、思想や考え方など心的面から観察すれば「心理学」や「哲学」にもなっていくでしょう。
「人間の外見にソックリなロボットは人間であると言えるのか?」と言うようなテーマの映画もありましたが、果たして映画の結論の様に「感情のある無し」で人間かどうかを判断できるのでしょうか?
人間そっくりロボットが出来て、そこにAIが組み込まれたら、感情的な表現や対応も可能となるでしょうが、そのロボットを果たして人間だと言えるのでしょうか?
また、カズオ・イシグロ氏が書いた小説に、臓器移植用に造られたクローン人間の話がありますが、彼は養殖された牛や豚のような扱いで「魂がないから人間ではない」と言う定義付けでクローン人間が育てられます。
果たしてクローン人間は人間であるのか否か?
非常にナイーブで難しい問題ではありますが、近い将来に到来する課題でもあるような気がします。
従って「人間学」が最近流行るのにも、きっとそれなりの意味があるのでしょう。
鉱物学、植物学、動物学がある以上、人間学が有っても良いわけですが、その中身が問われているような気がします。