受験の時に「おちる」なんて縁起でもない!と叱られそうですが、今日は違う意味での「おちる」のお話です。
落ちるにもいろんな言葉があります。
「落ちる」「墜ちる」「堕ちる」「陥ちる」「隕ちる」「零ちる」
それぞれの言葉の意味は微妙に違います。
「落ちる」は上から下へ移動する様ですが、「色が落ちる」など程度が変わる様も言います。
「墜ちる」は重いものが下へ移動する様。
「堕ちる」は、おちぶれる様…
では、柔道とかの絞技で気が遠くなって行く様は、どの感じで「おちる」と表現するのでしょう。
気を失う事なのですが「落ちる」と表現するのが一般的には多い様です。
私も柔道をやっていたこともあるので、何度か落ちたことがありますが、何とも不思議ですが落ちる瞬間は、フワッとして何とも気持ちが良いものです。
中にはその感覚が忘れられなくて、時々落として貰おうとする輩も居たくらいです。
そう言うこともあって、私の学校では早々に「絞技で落とすことは禁止」となりました。
首を絞められると頸動脈が圧迫されて、脳内に血液が行きにくくなり失神します。
同じように、歳をとって老衰状態になって来ると、脳への血液が流れにくくなり「落ちる」状態に近くなってくるそうです。
ですから痛みが無くなり、フワッとした気持ち良い状態で、亡くなって行くとの事です。
こうした自然の摂理は、ある意味私たちに与えられた神様の慈悲ではないかと思います。
「苦しみながら亡くなって行くのは辛いだろうから、せめて最期は楽にしてあげるよ」と言う優しさなのではないでしょうか。