フランスの数学者、哲学者として有名なパスカルは、「人間は考える葦である」などの多数の名文句や、「パスカルの賭け」などの多数の有名な思弁がある遺稿集『パンセ』の著者として有名です。
また「パスカルの三角形」「パスカルの原理」「パスカルの定理」などの発見でも知られています。
その中でも、あまり内容が知られていないのが「パスカルの賭け」です。
これは「パスカルの確率論」とも呼ばれていますが、端的に要約するとこんな感じです。
神やあの世がある確率は五分五分ですが「神はいる」と信じ、その信仰を持って立派な人生を生きていた人が、死後信じていた通り神も存在し、あの世もあったならば幸せでしょう。
信仰を持って生きた後に、もしあの世が無かったとしてもそれは無になるのだから損をすることも特にはないでしょう。
しかし「神もあの世もないから何をしても大丈夫」と思って悪いことをして生きていた人が死んだ後、地獄が存在し、そこに落ちたらそれは大損でしょう。
また「悪いことをして生き、死後あの世が無かったら、その人は得じゃないか」と言う気もするけれど、信仰を持って死んだ後あの世がない人と結局同じだから損も得も無い。
ところが、あの世があった場合には、信仰がある無しによって天国へ行くか地獄へ行くかが決まるのであれば、信仰を持っていた方が賭けとして確率的に考えても有利である。
以上の様にパスカルは唱えていました。
要は「信仰を持って生きていた方が、あの世があろうとなかろうとお得だよ」と言う事なのでしょう。