もう40年前頃に「金八先生」というドラマが流行りました。
そのため「金八先生が良い先生の代名詞」のようになり、現場の先生方が大変困ったと聞いたことがあります。
何が困ったかと言うと、武田鉄矢が演じる金八先生は、落ちこぼれの生徒やトラブルを持っている生徒に寄り添い、その生徒を助けて行くのですが、学校に子供達を預けている親御さん達が、教師の理想像に「金八先生」をもってくる為に、「なんで、ここの学校先生は金八先生みたいな教師が居ないのか!」と文句を言ってくる事が大変増えたそうです。
ドラマの中の話なので、現実の教育現場では、そんなドラマ通りに進まないのは当然のことで、だいぶ現場が混乱したと、当時先生をしていた方々にお聞きしました。
本当に「優れたる教師」は、「自分のコピーの様な人間ばかりを創ること」で喜ぶ訳ではなくて、それぞれの中にある「逸材性」と言うものを見抜く力を持っています。
「この人には、人をまとめる力がある」「この人には、ものを繰り返し読んで覚えていく力がある」とか、色々な才能をそれぞれの生徒が持っているけれど、「それがどの位のレベルにまで来ているのか。」という事を、横一線で判断できる才能が「優秀な先生」にはあると思います。
別の言葉でいえば「長所に光を当てて、その人のレベルを引き上げる教育をする。」という言葉になるのでしょう。

