若い人達は、力の限り、能力の限り、フルパワーでもって自分を表現しようとします。
「自分を丸ごと認めてほしい。」と言う表れなのかも知れませんが、これは大きな鯛をドーンとまな板に乗せて「はい、どうぞ。食べて下さい!」と言うようなもので、相手は「どうやって食べろと言うのだ。」と言うことで、戸惑ってしまう事もあります。
自分自身を丸ごと差し出しても、相手は食べられないだろうと思えば、刺身にしたり、煮付けにしたりするなど、食べやすいように調理していくと言う考え方も必要となります。
エネルギーを強く出すことは出来ても、弱くすることが出来ないと、あなたを受け入れたいと思っても、相手も困ってしまう事もあります。
このエネルギーの調整が出来るようになるには、いくつかの挫折を経験することが必要となります。
調和された中で、「周りの人達と上手くやって行きたい」と言う気持ちが人間にはあるので、あまりスピードを出すべきでないところで、スピードを出せるだけ出すと、事故も起こってしまいます。
そうした事故を何度か経験すれば「ここではスピードを、この位に落とそう。」と言う経験知識も生まれてきます。
そうして、上手に事故を起こさないように、スピードをコントロール出来るようになり、「自分と言うものを相手の必要に応じて提供できる。」ようになります。
こうした状態の事を「和光同塵」といいます。