自分は死ぬのだと思い出すことが、敗北する不安にとらわれない最良の方法です。

私は17歳のときに「毎日をそれが人生最後の一日だと思って生きれば、その通りになる」という言葉にどこかで出合ったのです。(聴衆:笑) 
それは印象に残る言葉で、その日を境に33年間、私は毎朝、鏡に映る自分に問いかけるようにしているのです。
「もし今日が最後の日だとしても、今からやろうとしていたことをするだろうか。」
もし、その答えが何日も「違う」と続くようなら、生き方を何か見直さないといけないということです。
自分はまもなく死ぬという認識が、重大な決断を下すときに一番役立つのです。
なぜなら、永遠の希望やプライド、失敗する不安…これらはほとんどすべて、死の前には何の意味もなさなくなるからです。
本当に大切なことしか残らない。
自分は死ぬのだと思い出すことが、敗北する不安にとらわれない最良の方法です。
我々はみんな最初から裸です。自分の心に従わない理由はないのです。


この時の演説は今でもスタンフォード大学のみならず企業人においても語り草となっている名演説です。
彼はこの時すでに膵臓がんに侵されていました。幸い手術は成功しましたが、「生と死」についてとても深く考えた闘病生活だったようです。