トーマス・カーライルの言葉ですが、ときどき「スケジュールがいっぱいであることを自慢する人」を見かけます。こういう人にはこの言葉を送りたいと思ってしまいます。そう言う私が「分刻み人間」だったからです。以前の私はとにかくじっとしていることや嫌で、多趣味な上に寂しがり屋なので常に隣に誰かがいてくれないと駄目な人間でした。でもこうした生活は突然終わりました。いや終了させられたと言ったほうが正確でしょう。仕事中に意識を失い救急車で運ばれたのです。病名は重度の十二指腸潰瘍と胃潰瘍。医者からは、お酒とタバコと大好きなコーヒー止めるように言われました。
1ヶ月近くなった入院生活の中で、何もせずにただただベットに横たわる時間が兎に角ムダに思え、とても苦痛でした。
その時にたまたま隣あったベットに寝ていた40代くらいのオジサンが、あるとき私にこんなことを言ってきました。
「あんた、とにかく我武者羅に生きてきたんだろ。だから身体を壊した。
滅茶苦茶にアウトプットするのも時には大事だが、インプットの方がもっと大事なんだよ。
ハチは蜂の巣の暗闇の中で美味しい蜜を作るだろ。人間も独り孤独な時に、自分を作るんだよ。だから独りの時間を大切にできない奴は自分をつくれない。そういう奴は他人も大切にできない。」
そんなことを言ってきました。私はポカンとしてこの人は何を言いたいのか、その時はさっぱり分かりませんでした。
ようやく今の年代になって、この知らないオッサンの言葉の意味が分かるようになりました。
後で看護士さんに聞いた話ですと、このオッサンは銀座で成功している飲食店のオーナー社長で、業界では有名なカリスマ社長だったそうです。笑