どんなに健康な人も、どんなに財産や地位がある方でも、必ずいつかはこの世を去ります。
大抵の人達は、その去る日が分からないから、永遠に生き続けるつもりで生きています。
今日があって、明日もあると確信して生きています。
しかし突然の身近な人の死によって「死」を想い出します。
中には「死にたくない」と考え、様々な事にお金をかける方もいらっしゃいます。
そう言う意味では執着の最たるものは「死にたくない」と言う悪あがきなのかも知れません。
「じゃあ生に執着する事は悪い事なのか?」と言われそうですが、もし生への執着がない事が真理であるならば、自殺こそ「執着を断つ」最高の行為になってしまいます。
私も含めてみんながそうですが、人は生まれてきた時に手の中に「一冊の問題集」を持って産まれてきます。
その問題集には、今世の自分自身に与えた幾つかの問題が網羅されているので、生きている間に何らかの答えを出さなければ行けないようになっています。
答え合わせは、あの世で行われ「天国地獄」の行き先が決まるのでしょう。
であるならば、自殺は問題集の途中放棄と同じ事なので、その罪に対する罰も当然発生します。
いずれにしても「どの様にして執着を断つのか?」言う問題は、ひょっとしたら世界中のみんなに共通した問題の一つなのかも知れません。
しかし、「自分自身の向上」「他人の幸福」などに対する執着はいけないことなのでしょうか?
この辺りの事は非常に難しい問題であるために、人は何度も生まれ変わるのでしょうね、きっと。