今日は「3羽の雀」のお話しをさせていただきます。
あるところに動物の言葉が分かる10才の少年がいました。
彼はある日の朝、近所の神社でいつものようにゴミ拾いをしていると、3羽の雀が話している声が聞こえて来ました。
「この世の中で一番大切なものは何だと思う?僕は太陽だと思う。だって太陽が無ければ僕らお米だって食べられないし、日光浴も出来ない。君はどう思う?」
「私は水が一番大切だと思う。水がなければ私たちもそうだけれど、殆どの生き物が生きていけなくなるもの。水が無かったらきっと3日ももたないわよ。」
「確かに太陽も水も大切だけれど、私は空気が一番大切だと思う。だって空気が無かったら3日どころか一瞬で死んでしまうし、空だって飛べないもの」
この話を聞いていた少年はたいそう悲しくなりました。
自分は人間であるから雀よりは賢いと思っていたけれど、太陽にも水にも空気にも感謝していなかった…よほど雀達の方が立派だと感じ彼は自分自身を恥ずかしく思いました。
少年は泣きながらお祖父さんに、この雀の話を伝えました。
お祖父さんは少年に諭すように、こう言いました。
「よく悟ったね。人間は愚かな事に一番大切なものさえ見失ってしまう時がある。でもお互いに愛し合う事でその罪から許されているんだよ。神様は人の愚かさや、そこから生まれる罪を許す為に、愛という魔法の力を下さった。愛があるから人間は万物の霊長であることを許されているんだよ。」