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「戦う哲学者」の異名を持つ中島義道教授は「日本は注意喚起の放送が多すぎる」と憤っていらっしゃいます。
私も時折「仰る通り!うるさ過ぎる」と思う時があります。
電車やバスでは止まるごとに「お忘れ物が無いようにご注意下さい」とアナウンスが流れます。
それはそれで親切なことなのですが、本当に大切な注意が、そうしたアナウンスでかき消されてしまう事もあるかもしれません。
静かさの中の注意喚起については人は敏感になります。
本当に危ない時に「気を付けて!」と、声を掛けられれば気を付ける事も出来ますが、雑然騒然とした中では大きな声でなければ、その注意もかき消される事でしょう。
それで命を落としてしまうこともあるかも知れません。
また周囲の音がうるさくて、心の声が聞こえないこともあります。
本来ならば「ここは危ない」と言う、自分自身の声と言うか感じと言うか「心のささやき」が、危険を教えてくれる事もあるかも知れないのに、あまりに周りからの注意喚起の音ばかり流れていたら、そのささやきも聞こえなくなってしまいます。
心の中のささやきに敏感であることは、自分自身を守る意味でも大切ですし、自分を保つという事でも必要な事なのかもしれません。