法が治る国家を「法治国家」と言うように、一人の独裁者あるいは幹部層の人間だけで治められている国を「人治国家」と言います。
「この近現代の中で、そんな非民主義的な国家があるの?」と言われそうですが、日本の近くにも複数国が存在しています。
人治国家は、法治国家の皮を被りながらも、その実は独裁者の感情で、その国体をコロコロと変えて行きます。
また人治国家には「表現の自由」「信仰の自由」が法律に明記されていても、無視される傾向にあります。
つまり、現体制に対して批判的な人間は粛清されることになります。
従って人治国家は「恐怖国家」になりやすいと言えます。
また人治国家の特徴として挙げられるのは「亡命者が多い」と言うことです。
民主主義国家であり自由主義国家であったならば、住んでいる国が本当に住みやすければ、その国を捨てるような亡命などしない筈です。
そういった意味では、日本国は法治国家と言えるのでしょう。
国家名に民主主義を謳いながらも、亡命者が絶えない国もあります。
こうした国は明らかに人治国家であり、徳ある人が国を治めれば良い国になる可能性もありますが、基本的に徳ある人は人治国家を嫌うので、亡命してしまい、リーダーとして登場することはあり得ないと言われています。
「人はいつかはこの世から去る」と言う現実や「輪廻転生」の考え方が、こうした人治国家によっては唯一の救いになるかも知れません。
いつも時代にも「人治国家」は存在し、世の中が不安定になればなるほど現れやすくなってしまいます。