「人生、山あり谷あり」と昔から言いますが、もし山も谷もなく平坦な人生だったら、皆様はどう感じることでしょう。「それはそれでありがたい。素晴らしい人生だったと言えるんじゃないか」と仰る方もいらっしゃることでしょう。でも本当に苦難も困難もなく平々凡々な人生を享受している方が、世界中にどれだけの人数いることでしょう。もしそういう人生を送っている人がいたら、その人は本当に幸せなんでしょうか?
世の中には大金持ちで美男美女で、素晴らしい家族も持っていて羨ましい限りの方々をいらっしゃいますが、その人たちも幸せだと思っているかは分かりません。見た目は幸福そうでも、心の中までは外部からではわかりません。もちろん幸福な方のいらっしゃるでそうし、そうでない方もいることは推測できます。お金持ちはお金持ちで「盗まれないだろうか、子供が誘拐に合わないだろうか」など色々な気苦労があるでしょうし、美男美女は異性にモテてしょうがないでしょうが「本当に好きな人からは振り向かれない、彼女彼氏の愛情が本当のものか分からない」などそれはそれで恋愛の悩みもあることでしょう。
「人生は一冊の問題集」と言う言葉がありますように、何の問題もない人生は結局は「何も学べない人生」であると同義語かもしれません。人生の何処かしこに「落とし穴」が掘られているのに神様は教えてくれません。だって「そこに穴があるから避けなさい」と教えていたら、試験問題の答えを教えてしまう先生と何ら変わりませんから、その人のためになりません。
知らず知らず落ちた人生の落とし穴の中で「今回は痛い思いをしたけれど、なんで落ちたんだろう。何が悪かったんだろう。」そう涙を流しながら、一生懸命に考え反省することが私たちの人生において良い経験にきっとなるから神様は黙って見過ごしているのではないかと私は考えて生きています。