佐藤一斎先生についてはブログに書かせていただくのは、これで2度目になるかと思います。
彼は幕末に生まれた儒学者で、今の東大の基となった昌平黌(昌平坂学問所)の教授であり、各諸大名や江戸に留学に来ていた諸藩の優秀な武士などに、朱子学や陽明学を教えていました。
その門弟は3,000人とも6,000人とも云われ、彼の弟子、孫弟子、ひ孫弟子には、佐久間象山、横井小楠、吉田松陰、勝海舟、坂本龍馬、橋本左内、久坂玄瑞、木戸孝允、高杉晋作、伊藤博文、井上馨、山縣有朋など、錚々たる明治の志士達が名を連ねています。
また、明治維新の二大書籍として、福沢諭吉の「学問のすゝめ」と中村正直の「西国立志編」が挙げられますが、中村正直は佐藤一斎先生の直弟子にあたります。
また司馬遼太郎の小説「峠」には、主人公の河井継之助が、山田方谷の帰っている岡山まで、わざわざ行脚して教えを乞う場面がありますが、山田方谷も彼の直弟子でした。
西郷隆盛は直弟子ではなかったのですが、彼の書いた「言志四録」を、沖永良部島に流された時に持って行って、それを百ヶ条程度に纏めて、西郷版の心得帳の様なもの「南州手抄言志録」を作っています。
これだけ偉大な賢人なのですが、現代日本人には余り知られていないので、大事な「日本の心」をお教えしていた大家でもあるので、これから随時書き記して行こうと考えております。