皆様はよく、「潜在意識」とか「顕在意識」とかの言葉を使っていらっしゃるかと思います。
しかしながら、この考え方はあくまでも心理学上の「仮説」であって、科学的に実証された事が無いことをご存知でしょうか?
「潜在意識」や「無意識」の概念は、精神科医のジークムント・フロイトによって確立され、カール・ユングによってさらに発展しました。
フロイトは、意識を「意識(顕在意識)」、「前意識」、「無意識(潜在意識)」の3つの領域に分け、特に無意識が行動や感情に大きな影響を与えているとしました。
それに対してユングは、フロイトの個人的無意識に加えて、人類共通の経験や記憶の集合体である「集合的無意識」という概念を提唱しました。
現在の心理学や脳科学では、「意識されていない心の領域」や「無意識の処理過程」として研究されており、私たちの行動や判断の多くが無意識下で行われていることが示されています。
脳科学の分野では、意識的な気づきを伴わない情報処理(サブリミナル刺激など)や、過去の経験が無意識に蓄積されて行動パターンに影響を与える現象は確認されています。
ハーバード大学名誉教授のジェラルド・ザルトマン博士は、人間の行動や思考の95%が無意識であると試算しています。
しかし、これらの研究は「意識的なプロセスと無意識的なプロセスの違い」を示すものであり、フロイトやユングが提唱したような、意識とは完全に分離した「潜在意識」という独立した実体が脳内に存在することを直接証明しているわけではありません。
潜在意識や無意識の概念は、人の心の働きを理解するための重要な理論的枠組みとして使われています。
脳科学的には無意識の情報処理は確認されていますが、潜在意識という「場所」や「実体」が脳内に明確に存在するという直接的な証拠はまだありません。
しかしながら最初に書いたように、潜在意識は「意識されていないが行動に影響を与える心の働き」を指す概念として広く受け入れられており、その影響力を理解することは、自己成長や行動変容に役立つと考えられて、多くの人間性向上セミナーや、啓蒙思想的な場所でも一般的に使われています。
