仏教には「三法印」といって「諸行無常」「諸法無我」「涅槃寂静」と言う代表的な教えがあり、これが仏教の旗印とされています。
諸行無常は「川の流れのように人生は変転して、変化して止まないものである」と言う考えです。
諸法無我は「ありとあらゆる物は、壊れていく性質を持っている。地上にある物全て滅んでいく。だからこの世的な肉体や物質、物体に執着しても何ら永遠なる物はないのだ」と言う考え方です。
涅槃寂静は「この世界に住んでおりながら、この世界を超えた、自分自身の絶対的存在の中に参入して行く」と言う心情を表しています。
しかし、この三法印に一つ加えて「四法印」として、般若心経の中にも出てくる「一切皆空」を加えることもあります。
この一切皆空は「全てのものはみな、空である」と言う教えですが、この空の思想は単なる「滅び」だけの思想ではありません。
その背景には「この世にあるものは実際はないけれど、それは空の状態であって、実質上は仏の光、エネルギーが、そういう磁場を創り、満ちているから形となって現れているに過ぎない」と言うことです。
こうしてみると、仏教は「物質的なもの、この世的なものに執着を持ち過ぎるな!」と言いたいのだと言うことが良く分かります。