医者に対する間違った見解

医者に対する間違った見解

皆様は中村仁一先生をご存知でしょうか?中村先生は京都大学医学部を御卒業され、ご存命中は仏教会の協力で「病院法話」を毎月開催、1996年からは「自分の死を考える集い」主催されていました。中村先生は「往生したければ医療とかかわるな」と言う著書も出されております。その御著書の中で、医者に対する間違った見解をあげておられます。「医者は病気のことなら何でもわかる」「医者はプロだから自分に一番良い治療方法を教えてくれるはず」「大病院ほど信頼できる医者がたくさんいる」「外科の教授は手術がうまい」「マスコミに登場する医者は名医だ」「医学博士は腕がいい...
目的としての学問

目的としての学問

多くの方が「良い大学に入り、良い就職先に行くための手段としての学問」をやっていたかと思います。私自身もその様に考えていたし、それが当たり前のような時代でした。しかし今還暦も過ぎて永らく生きていると「手段としての学問は本当の意味で身に付いていないのではないか」と思えるのです。この世的な知識とテクニックで、暗記したりしながらマスター出来るような学問は、勉強していても喜びを感じません。しかし「自分が知りたいと思うことや、自分の心が欲するもの」を勉強すると、楽しさと共に喜びを感じます。「勉強そのものの中に力がある。楽しみがある。」と言うことを...
老いと病院

老いと病院

病院では自然死はあり得ません。何故なら処置をしなければ許されない場所だからです。またお医者さんも何もしないで、ただ死を待つことには耐えられないでしょう。ですので殆どのお医者さんは「自然死」を知らないそうです。人が自然に死んで行く姿を見たことがないそうです。「死」と言う自然の営みは、本来穏やかで安らかだったはずです。それを医療が関与することで、より非人間的なものに変貌させてしまったと叫ぶお医者さんがいるくらいです。一番の怖がりはお医者さんだとも言われています。それは悲惨な死ばかりを目の当たりにしてきたから「何とか生かせてあげたい」と、死...
パスカルの確率論

パスカルの確率論

フランスの数学者、哲学者として有名なパスカルは、「人間は考える葦である」などの多数の名文句や、「パスカルの賭け」などの多数の有名な思弁がある遺稿集『パンセ』の著者として有名です。また「パスカルの三角形」「パスカルの原理」「パスカルの定理」などの発見でも知られています。その中でも、あまり内容が知られていないのが「パスカルの賭け」です。これは「パスカルの確率論」とも呼ばれていますが、端的に要約するとこんな感じです。神やあの世がある確率は五分五分ですが「神はいる」と信じ、その信仰を持って立派な人生を生きていた人が、死後信じていた通り神も存在...
縁起の理法と自助努力

縁起の理法と自助努力

世界中に多くの宗教が存在しておりますが、多くの宗教が「お願い宗教」と言われています。「どうか私の病気を治してください。」「どうか私を貧乏生活から救ってください。」「私の願いを叶えて下さい。」この様な感じで、自分や周りの人達の救済と願いを叶えてあげることで、拡まって行った宗教が多いことも事実です。謂わば「他力信仰」ですが、こうした考え方が行けないわけではなく、宗教は他力の思想がないと成り立たない面もあります。辛くて苦しいこの世の中を生きて行くには、誰かに頼ることは、決して弱者のみの行為ではないからです。しかし仏教は、この他力信仰も含みな...