プロトタキシーテス(Prototaxites)は、恐竜が登場する前の、約4億2000万年前から3億5000万年前(シルル紀後期〜デボン紀)に生息していた、正体不明の巨大な陸上生物です。
その高さは、約8〜9メートル、幹の直径は最大1メートルに達しました。
脊椎動物がまだ陸上に進出しておらず、植物も数10センチ程度の高さしかなかった時代に、地球上で最も巨大な陸上生物として君臨していました。
彼らの化石を顕微鏡で見ると、植物のような細胞ではなく、管状の組織(管状要素)が複雑に絡み合った構造をしています。
1843年の発見以来、その正体については長年議論が続いています。
発見当初は、原始的なイチイのような木と考えられていました(名前の由来も「原始的なイチイ」を意味します)。
2001年の研究以降、内部の管状構造や炭素同位体比の分析から「巨大なキノコの仲間」であるという説が有力視されるようになりました。
しかし 2026年の最新研究では、化石の化学成分を分析した結果、現生・絶滅問わず菌類特有のバイオマーカー(キチンなど)が欠如していることが判明しました。
現在では、植物でも菌類でもない「全く未知の真核生物の系統」である可能性が高いと考えられています。
ということは、彼らの子孫は現代には生きていないということになり(未だ発見されていないだけなのかも知れませんが)、古生物学者達ばかりでなく、現代の科学者のロマンを掻き立てます。