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天命

天命

「人事を尽くして天命を待つ」と言う言葉がありますが、現代の解釈では「やるだけの事はやって、あとはお任せしよう」的な感じで使われている様です。しかし本来の意味は「天命を知り、自らの努力を惜しまない」と言う意味であると、私は師匠から聞いております。もしそれが本当ならば、全く逆の意味になってしまいますね。「天命を全うする事が良い結果を生むのだから、結果を待つのではなく、天命を尽くすことに努力する事が何より大切だ」と師匠は言いたかったのだと私は解釈しております。そもそもここでも使われている「天命」とは何なのでしょう。以前も書いた事がありますが...
心の囁き

心の囁き

「戦う哲学者」の異名を持つ中島義道教授は「日本は注意喚起の放送が多すぎる」と憤っていらっしゃいます。私も時折「仰る通り!うるさ過ぎる」と思う時があります。電車やバスでは止まるごとに「お忘れ物が無いようにご注意下さい」とアナウンスが流れます。それはそれで親切なことなのですが、本当に大切な注意が、そうしたアナウンスでかき消されてしまう事もあるかもしれません。静かさの中の注意喚起については人は敏感になります。本当に危ない時に「気を付けて!」と、声を掛けられれば気を付ける事も出来ますが、雑然騒然とした中では大きな声でなければ、その注意もかき消...
雑草

雑草

「雑草と言う植物はない」とは、植物をこよなく愛された昭和天皇の御言葉ですが、昭和天皇のお人柄が現れたとてもお優しい言葉だと思います。人間は勝手に米や麦など人間に役立つ草花以外は雑草と決めつけてしまいますが、彼らからすると失礼な話です。彼らも日々一生懸命に生きて、あるものは慎み深く可憐な花を咲かせ、あるものはフワフワと綿毛のような種を撒きます。人に対しても「自分に得になる人とならない人を分けている」ようでは、昭和天皇のような優しいお気持ちには決してなれません。仕事に関しても「雑用」と称して、その仕事を拒む新入社員や幹部達がいますが、これ...
親の愛

親の愛

「欲しい時には与えられず、与えたい時には次の代・・・」が「親の愛」なのでしょう。私達は幼い頃は、お父さん、お母さんの愛が欲しくて堪りません。特に母親からの愛情は、子供が健全に育つためには欠かせないものだと言われます。昔、日本人は母親の事を「カカさま」と呼んでいました。夫が妻のことを「カミさん」と呼ぶのも、この「カカさま」から来ています。「カカ」とは「太陽が燃える様」から来ていると言われ「カカさま=太陽」のことだったのです。つまり母親は太陽であり、妻も太陽であると言うことになります。母と妻を太陽のように敬い、大切に思うことが、古来より日...
薫習

薫習

「香が物にその香りを移して、いつまでも残るように、みずからの行為が、心に習慣となって残ること。」…薫習燻製ソーセージのような感じで、木材チップの煙の香りが染み渡る感じを思い浮かべた方も多いかと思います。知育や躾や模倣など教育には色々な手法がありますが、最後まで残る共育が薫習だと私は思っております。親から強制された訳でもなく、叱られて覚えたわけでもなく、自然自然と身に付いてしまった親の考え方や行動は大人になっても中々変え難いところがあります。だからこそ家庭教育が大切だと言われるのでしょう。逆に言えば、何も大きな声を何回も出さずとも、躾と...