老いて学べば

老いて学べば

「この世で学んだことは、あの世に持って還れる」と、皆さんは聞いたらどんな事を思うでしょうか。「そもそも、あの世があるかどうかも分からないからナンセンス。」と言いたくなる方も、いらっしゃるでしょう。そう言う方は「死んだら何もかも終わり。ただほんの少しだけの灰が残るのみ。」とお考えの方達でしょう。そのように信じていた時期も、私にもありましたが「それでは余りに虚しい人生。せっかく努力精進、泣きながら苦労してきたのだから、報われることがあっても良いんじゃないか。」と思った時に、俄然「死」について勉強する気になりました。「あの世があると仮定した...
闇を恐れるなかれ

闇を恐れるなかれ

「一燈を捧げて暗夜を行く。暗夜を憂うること勿れ。ただ一燈を頼め。」とは、佐藤一斎の『言志晩録』第13条に書かれている言葉です。「闇を恐れるのではなく、自分の提げているその一燈をこそ頼め。自分の持っているこのランタンの光、一燈を頼りにして、ただただ闇を進め。闇を恐れるな。」というようなことを言っております。この教えは、儒教でもありながら、キリスト教にも似たところがありますし、他のものでも通用する真理だと思います。「闇を闇雲に恐れていると、闇に飲み込まれる。自分の中にある『真理』の火を灯せ、さすれば闇は一気に消えて、道が歩きやすくなる。」...
佐藤一斎2

佐藤一斎2

幕末に生きた佐藤一斎は、朱子学の林家の林述斎に入門して、やがて塾頭になり、『重職心得箇条』と言うものを書いています。これは重役の心得のようなもので、元総理大臣だった小泉純一郎も様々な人に配っていたそうです。佐藤一斎の教えとしては「陽朱陰王」つまり、表は「朱子学」で、裏側は王陽明の「陽明学」です。表側では、幕府の正統な学問である朱子学を教えていたものの、実際は裏に陽明学を忍ばせて教えており「本当は、そちらの方が中心的な考え方だった」と云われています。そのため、その教えを受けた人の中に陽明学が流れ込んで行っているのです。そういった意味で佐...
執着の恐ろしさ

執着の恐ろしさ

「人間は『人、物、金』のいずれかに執着し始めると人生が狂い始める」と云われていますが、皆様も思い当たるところがあるのではないでしょうか。特定の人が好きになり過ぎて、ストーカーの様な行為に走ってしまったり、物集めにハマってしまってお金をドンドンと注ぎ込んでしまったり、お金を稼ぐ為なら何でもする様になったりと、思い返してみると、色んなパターンで執着してしまった事がある事でしょう。この執着の恐ろしいところは「本人は、夢中になっているだけで、自分の行為を『執着』とは思っていない。」というところです。本人は至って当たり前の様に、いや寧ろ「自分の...
背水の陣

背水の陣

「絶体絶命の時に、退路を絶って戦いに臨む」これを『背水の陣』と言いますが、これは紀元前3世紀頃に中国・前漢初期に活躍した『韓信』が編み出した戦術と云われています。韓信は相手が『孫子の兵法』を勉強している事を逆手に取り、「川を背にして陣を敷くと、敵に攻められたら全滅する」ということで、相手が油断して攻めてくるだろうから、その油断を突く戦いを行いました。韓信は、自分の兵のうち2,000人を割いて、相手の後ろの方に回り込ませて、挟み撃ちにしました。油断していた敵軍は慌てふためき、前後どっちと戦ったら良いのか、どっちに逃げて良いか分からなくな...