執筆者 西村 | 2025年09月21日 | 本当の終活
経営の神様と言われた松下幸之助氏は、その著書のなかで「人間には、信仰の本能がある。」と述べています。彼の言う「信仰の本能」とは、一体どういう事を指すのでしょう。世界各地には、様々な民族が色々な歴史観、宗教を持ちながら生きています。その共通するところは「人間は生まれつき、何か偉大なるもの、いわゆるサムシング・グレートを信じる心を持っている。そう言う本能を持っている。」と言えるのではないかという考え方もあるのです。要するに、子供が親を信じ敬うように「自分の創り主、あるいは生みの親は誰であるか?」ということを求め、それに憧れる気持ちが人間の...
執筆者 西村 | 2025年09月19日 | 本当の終活
アリストテレスは「人間は幸福を目的とする」と言いましたが、幸福になる為には、色々な行動、言動、活動に対して、自由が与えられなければなりません。同じ様に、チャンスも平等に与えられなからば、幸福になる機会が偏ってしまいます。例えば、学校を選択する自由、意見を発表する自由、職業を選べる自由、どこへでも移動できる自由などがなければ、私達は籠の中の鳥達の様な、制限された自由とチャンスのみになってしまいます。当然、幸福も限られたものにならざるを得ないでしょう。チャンスが平等になされたら、その結果においても公平でなければいけません。「チャンスが平等...
執筆者 西村 | 2025年09月04日 | 本当の終活
「悟り」と言うと皆様は、どんなことをイメージするでしょうか。「お坊さんが修行している」とか「坐禅を組んでいるとか」そうした、仏教関係者が何かを精進している姿が想い浮かぶかも知れません。しかし「悟り」は、日常的に私たちの中にもあるとされています。「こう言う態度をとると、他人は喜んでくれる。」とか「人間社会は、こうした原理原則で動いている。」とか、その人が経験や智慧から学んだことが「悟り」のように感じられる時もあります。その感覚は、あながち間違いではないかも知れません。但し、その悟りにも段階があります。仏教ではその段階を「預流(よる)」「...
執筆者 西村 | 2025年05月21日 | 本当の終活
歳を取ってくると「健康の不安」や「経済的な不安」あるいは「孤独への不安」で押し潰されそうになります。特に「経済的な不安」は年金問題にも関わってくるばかりではなく、「孤独への不安」とも関係しているので、より深刻さが増します。2017年に105歳で亡くなられた日野原重明先生は「結局のところ、老後の経済問題は人間関係論になるんだ。若い頃から人間関係作りをしなければいけない。人間関係作りへの手間と時間を惜しんだ人は、老後が孤独だし、経済的な不安を抱えることになる。少子化の中で、子供や孫に助けて貰うと言うことは彼らの負担にもなるし、それが原因で...
執筆者 西村 | 2025年04月24日 | 本当の終活
最近では、仏教を本職でやられている住職さんでも「死んだらどうなるのか分かりません」と言っています。「魂はあるのですか?」と訊かれると「分かりません」と答え、「死後は何処に行くのですか?」と訊かれても「分かりません」と答える方が多くなってきました。仏教の専門学校や大学で教授達から、そう教わって卒業したので仕方がないと言えばそれまでですが、一般の人達は誰に死後の事を聞けば良いのか困ってしまいますね。因みに仏教では霊魂の有無について否定はしておりません。釈迦は「ガンジス川が氾濫したら、その氾濫した川によって、土で作った家が流れ去るように、人...
執筆者 西村 | 2025年04月08日 | 本当の終活
恵心僧都源信は平安時代中期の人(942〜1017年)ですが、念仏宗を強く押し出して、仏教を布教した方でもあります。また「往生要集」と言う、仏教の様々な経典から地獄や極楽の様子が書かれた部分を抜粋し編集、編纂した書籍も残しました。「往生要集」の中には地獄のことが沢山書かれています。地獄は大きく分けると「灼熱地獄」と「寒冷地獄」と言う2つのタイプに分かれるとされていますが、源信は基本的に「灼熱地獄」の方を主に書いています。また、地獄の段階を五戒(不殺生、不偸盗、不邪淫、不飲酒、不妄語)を犯した種類によって分けてます。ただ、現代人の多くは五...