「もののあはれ」は、四季の移ろいや諸行無常といった外界の事象に触れ、しみじみとした情趣や優美繊細な哀愁を感じる、平安文学の美的理念とされています。
江戸時代の国学者の本居宣長が『源氏物語』の本質として「もののあはれ」を提唱し、日本独自の美意識の根本としました。
「もの」とは「物」でもなく「者」でもありません。
「もの」とは「この世に存在する全て」を指します。
言い換えてみれば、宇宙全体と言っても良いかも知れません。
「あはれ」とは「優美でありながら、しみじみとした感情」を指します。
従って「もののあはれ」とは、仏教で言うところの「諸行無常」「諸法無我」の感覚に似ているかも知れません。
「全ては移ろいやすく、しかし全ての中に優美さをもって存在している」
「もののあはれ」は、一輪の華の美しさと儚さを感じさせる言葉であると私は感じました。
