涙

人は本当に悲しい時には涙が溢れないようです。それは「この悲しみをどう捉えたら良いのかが処理しきれず、思考が停止しているから。」だと言われています。しかし思考が停止していても、何故か目から涙が出て止まらない事もあります。自分の感情とは裏腹に、涙が溢れて来ることがあります。この現象は悲しみの時だけではなく、感動した時にも同じです。「涙は心の汗」と言った方もおられましたが、私は「涙こそ、心の鏡を綺麗にしてくれる水拭きの為に流れてくる水」と捉えております。仏教では、こうした心の汚れを取り祓ってくれる水の事を法雨と言っています。悲しみの時に溢れ...
ガラクタ

ガラクタ

一生懸命に幼稚園の頃から勉強をして、大学も有名大学に入学し、一流企業に就職。前途洋々に思える人生の歩み方ですね。でも、その人の心の中は本当に幸せなのでしょうか?私にも誰にも分からない彼らの心の内。彼ら自身とて、自分が幸せであるかどうかも分からないかも知れません。私は、幸せな人は心の中に砂金をいっぱい集めている気がします。砂金とは「人生における真理」です。真理とは「人はどう生きるべきか?」の答えでもあると思います。また、自分自身や他人も成長させる智慧と言っても良いかも知れません。この砂金は、家庭の中にも、仕事の中にも、人との会話でも、雑...
過ち

過ち

何十年も前の過去の過ちを未だに引き摺って生きている人達が意外に多いと言うことに、気付くのは私だけではないかと思います。岩に文字を刻むように、過去の思い出を残したところで、心の中が岩だらけになるだけです。それよりは、砂浜に書いた文字のように、いつかは波に消されてしまう…そんな憶えかたで良いのではないかと思います。特に過去の嫌な思い出は、反省すべきところを反省したならば、サラッと記憶から除外することはいけない事ではないでしょう。神様は私達に反省と言う消しゴムを与えて下さいました。想念帯に書かれた暗い出来事も、反省と言う消しゴムで消し去るこ...
悲しみ

悲しみ

人間生きていれば数多くの悲しみに出会います。悲しい出来事を好き好んで選ぶ人はいないかと思いますが、こちらが求めようと求めまいとやって来てしまうものです。悲しい出来事が起きた時に、大きく分けて二つの反応があるかと思います。一つは、悲しみに苦しみ悩み、自己憐憫に陥り、時には腹を立てて怒りをあらわにする人。もう一つは、どうしてこんなに悲しいのか内省し、自分を鍛えてくれる砥石のような存在だと捉え、自分の内側にある途方もない力に気付く人。悲しみに効用があるとするならば、後者の人のような気持ちに成らなければ、得られることはないでしょう。そして、悲...
落花流水

落花流水

「落花流水」流れる川面にハラハラと花弁が落ちます。花は落ちる場所を選べません。川はどこに花弁を運ぼうか決めてもいません。人の出逢いも、たまたま偶然が重なり合って美しい想い出が生まれます。人の自我やエゴ等とは関係なく、流れていく時間もあります。『こうしたい』『ああしたい』と自分の気持ちを優先するのではなく、互いの成り行きに身を任せる事も時には必要だと思います。でも、そうした瞬間にこそ、『美しい情景』が生まれる時があります。時の流れは人を引き裂くこともありますが、出会わせてくれる時もあります。そうした時にこそ、感謝と反省が自然に出来てくる...