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日本人に「日本国の事を一言で言って下さい」と質問されると、大抵の人は「言霊が幸(さき)あう国」と答えていた時代が長く続いておりました。
「言霊によって幸せに栄える国」と言う意味ですが、もはやこの言葉を話す人も少なくなり、目にしたりする機会も減りました。
私たちの国、日本は一万年以上も前から言葉を大切にして来た民族です。
お祈りの時には祈言(いのりごと)、お願いをする時には願言(ねぎごと)と言って、言葉を神様に届ける行為をしておりました。
その際に蝶や蜻蛉などの虫達が現れることを「吉兆」としました。
何故なら虫達が自分達の祈りと願いを神様に伝えてくれると考えていたからです。
これを「虫の伝え」と言い、後々虫達を伝書鳩のように使い始めました。
例えば好きな人が隣り村などに居て離れている時、てんとう虫を捕まえ来て「あなたのことが大好き!」と、てんとう虫に伝え聞かせて離すのです。
そうすると不思議なことに、そのてんとう虫はその人の愛する人の元に行き、その気持ちを伝えるのです。
その虫がついた状態を「虫がつく」と言っていたのです。
にわかに信じられないかもしれませんが、江戸時代より前は「虫の知らせ」も「虫がつく」も良い意味で使われていました。
ですのでハエや蚊以外の寄って来るのは吉兆であると言われています。